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米(コメ)先物市場がついに8月8日取引開始
元々、江戸時代から商品先物取引の主役は米の先物取引で、世界初の先物取引市場は大阪堂島の
米会所だと言われています。
江戸時代の大阪は商都として全国の年貢米が集まるところでした。
米=お金と言える程、価値のある米は、一方で天候不順等による価格変動の激しい商品で、
リスクヘッジニーズと投機ニーズの双方が生じ商品先物市場を生み出すことになりました。
米=お金と言える程、価値のある米は、一方で天候不順等による価格変動の激しい商品で、
リスクヘッジニーズと投機ニーズの双方が生じ商品先物市場を生み出すことになりました。
ところが、米市場は、戦時経済の影響で1939年に廃止され、戦後も物価統制令の元で政府の管理下に置かれ続けたのです。
1972年には米の消費者物価が統制から外れたものの、巨大な力を持つに至った農協(JA)が、
価格決定権を持つことになり、米先物取引の上場は農協の強力な反対により成立しませんでした。
価格決定権を持つことになり、米先物取引の上場は農協の強力な反対により成立しませんでした。
農協は、今回の上場にも一貫して反対し、本上場阻止にむけて運動を展開するとのことで、
取引不参加も表明しています。
取引不参加も表明しています。
【農協(JAグループ)の反対理由】
・米価が下落した場合には米価変動補てん交付金が支払われ先物取引のリスクヘッジ機能と矛盾する。
下落時には補助金が出るので、先物市場を使ってリスクヘッジする必要がない。
下落時には補助金が出るので、先物市場を使ってリスクヘッジする必要がない。
・先物市場は市場原理主義で、主食のコメを投機対象として良いのか
・米流通の実態に即さない
現物取引は産地ごとの相対取引であり、一括して取引所で行う先物取引との
【コメ先物市場のメリット】
・公平な価格掲載が行われ、常に更新表示される。
・作柄の変化により起こる値上がりや値下がりに保険(リスクヘッジ)ができる。
・先物市場に現物を渡すことで在庫圧縮ができる
・将来価格が示されることで合理的な価格での販売や在庫の金銭的評価が可能になる
と両者の言い分は並行線でした。
週刊ダイヤモンドによると農協は価格支配権を手放したくないということが反対の大きな理由とのこと。
農協グループは全農価格と呼ばれる希望売渡し価格を提示し、大手卸などと相対で価格を決めるが、
コメの流通量で5割以上の巨大なシェアを持つことから、買う方は、【農協の言い値で買うしかないのが実情」。
ところが、取引参加者により価格が決まる先物市場が開かれれば、それが指標価格となり、農協との価格交渉材料に使う可能性が出てくる。
【参考:2011年7月22日の米価格】
産地・品種 関東 関西
北海道きらら397・・・14,200 14,300
宮城ひとめぼれ・・・・・16,600 16,800
秋田あきたこまち・・・・18,600 18,800
茨城コシヒカリ・・・・・16,400 16,600
新潟コシヒカリ・・・・・26,800 26,700
[注]単位:円、60kg当たり、消費税抜き。
このコメ先物取引は、試験上場が7月1日に認可され、東京穀物商品取引所と関西商品取引所で8月8日に取引開始されます。
【主な取引要綱】
呼値:1俵(60kg)
取引単位:100俵(6,000kg)
限月:連続6限月制
証拠金:60,000円
CB幅:上下300円
建玉制限3番限以降:3,000枚
標準品:米トレーサビリティ法に基づく記録がなされ、かつ産地情報の伝達が可能な米穀であって、
農産物検査法に基づく検査規格水稲うるち玄米1等合格品の当年産の関東産コシヒカリ(茨城県産、栃木県産、千葉県産)
受渡供用品:コシヒカリ(茨城県産、栃木県産、千葉県産、福島県産〔会津〕〔中通り〕〔浜通り〕、
新潟県産、富山県産、石川県産、福井県産、長野県産)、ひとめぼれ(岩手県産、宮城県産)、
あきたこまち(秋田県産)、山形県産はえぬき、北海道産ななつぼし、きらら397、青森県産つがるロマン・まっしぐらの計19銘柄
新潟県産、富山県産、石川県産、福井県産、長野県産)、ひとめぼれ(岩手県産、宮城県産)、
あきたこまち(秋田県産)、山形県産はえぬき、北海道産ななつぼし、きらら397、青森県産つがるロマン・まっしぐらの計19銘柄
※CB幅:サーキットブレーカー(Circuit Breaker)とは
あらかじめ設定したCB幅外の価格で注文が対当した場合、一定期間、立会を中断(注文受付・訂正・取り消しは可。約定は不可。)し、CB幅を拡張して取引を再開する仕組み
今年の米は、ここ最近の冷夏、福島原発事故以降の放射能の影響で予断を許さない状況が続く。
コメ先物は2年間の試験上場後、本上場が認可されるがそれまでに十分な取引量が確保されているかどうかを見守りたい。
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